映画座

「小さい頭巾」と「枕の掃除」と「トンヌラ」による、映画のレビューブログ。楽しければいいじゃない。そんな我々の遊びの場。Twitter ID:@coldish1014

世界の黒澤が生んだ大傑作

どうも『枕の掃除』です。

今回は世界のKUROSAWAこと、黒澤明監督の作品、七人の侍についてつらつらと書いていきたいと思います。

まず、実は私自身最近まで黒澤映画を観たことがありませんでして、いつかは観てみたいと思いつつ結局観ないまま時が流れて行ってしまった感じです。

映画通の人に言わせると、昔の映画とは思えないほど、斬新で、スタイリッシュで、今観ても全く遜色のない映画。などとよく言われますが、私のようなミーハー人間からすると古い映画というだけでどうしても敬遠してしまうところがありました。

だって白黒映画ですよ?そりゃ真っ先に観よう!とはならなくないですか?

そんなこんなで、黒澤映画初鑑賞まで随分時間を要してしまいましたが、今回は黒澤映画の代表作の一つでもある、七人の侍を観てみることにしました。

 

七人の侍

f:id:coldish:20170610112810j:plain




~簡単なあらすじ~
農民「野武士に襲われて米がねぇ!侍さ雇って撃退すんべ!」
7人の侍「まかせろ」

野武士「やあああああああああああああああああ」
7人の侍「やあああああああああああああああああ」
農民「やあああああああああああああああああ」



だいたいこんな感じです。
さて、観てみた感想ですが

あれ?遜色ないどころか、今の時代でも一線級の作品なんじゃないか?

何で誰も、もっと早く観るようにお勧めしなかったんだ!
めちゃくちゃ面白いじゃないですか!

まず何がよかったかと言いますと、米がおいしそう!
馬鹿みたいな感想ですが、これってとても重要なことだと思います。
作品の内容からしても、米は彼らの命そのものであり、米の奪い合いすなわち命の奪い合い。それ故に米がおいしそうに見えるだけで、彼らが戦う意味がひしひしと伝わってきます。画面が白黒なのも相まって、白米の白さが際立っているのも印象的でした。

次に七人の侍たちが素晴らしかったです。
通常主役級を何人もそろえてしまうと、キャラ分けが難しく個性を活かしきれずに終わってしまうことが多々ありますが、この作品ではしっかりと人間が描けている!仲間になっていく過程がとんとん拍子すぎないか?と、思う人も中に入るかもしれませんが、個人的にはこの時点で各個人の特色が出ていて観やすかったです。

特に、七人の侍たちを語る上で欠かせない“侍”の一人が、三船敏郎が演じる菊千代。もともと三船敏郎は久蔵の役を演じる予定だったそうですが、菊千代というキャラクターが生まれたことにより、そちらを演じることに。
これが見事にはまり役で、猛々しさと、天然によるかわいらしさの融合。菊千代の求心力がこの映画を引き立てているのは間違いありません。

彼の一挙手一投足が本当に愛おしく思えるのはなぜでしょうか……。

菊千代は農民と侍の間に立つキャラクターでどちらの側にも寄り添うことのできる特殊な存在です。菊千代が涙ながらに熱弁するシーンはそれまでの菊千代の性格とは対照的で、素の菊千代が見て取れます。また仲間の死に対しても人一倍責任を感じ、強い正義感も持っています。
普段はおちゃらけているくせに、時より見せる真面目な顔がとても印象的でした。

f:id:coldish:20170610112729j:plain



映画の面白さは折り紙つきで、今すぐにでもレンタルしてきてほしいレベルですが、一点気になるところもありましたので一応紹介しておきます。
少し大げさな表現ですがそれは、

何話してんのかわからない!

つまり、時折(というより冒頭)何を話しているのか聞き取り辛い個所があります。話の内容は伝わってくるので大きな問題ではないですが、滑舌の問題なのか音響の問題なのか、何を話しているのかさっぱりわからない場面があることが欠点と言えば欠点ですが、まぁ大した問題ではないです。


あとは合戦シーンが見事だとか、単純にストーリーが面白いだとか、いろいろ言いたいこともありますが、要するに今回私が伝えたいことは

世界の黒澤が世界の黒澤と言われる所以を私は目の当たりにした。

白黒映画だからとか、長いからとか観ないための御託を並べてた自分が馬鹿らしかったです。これはぜひ多くの人に観てもらいたい映画であり、過去の名作に目を向けるよいきっかけになれる映画だと思います。

週末何をレンタルしようか迷った時には是非、七人の侍を借りていってください。