映画館で映画を観ている俺 VS 尿意
こんにちは、小さい頭巾です。
皆さんは映画館で映画を観る前、果たして何をするでしょうか。
僕はまず……トイレにいきます。
2時間近くある上映時間の中、閉鎖空間で一人
放尿という名のウォーターパレードやるわけにはいきませんからね。
上映の最中トイレに行くのは仕方ないことだと思うのですが、そこにいる誰かの映画鑑賞の妨げになる可能性を考えると、僕はなるべくトイレには行かないよう心がけております。
それに何より、トイレにいる間は映画を観れなくなってしまいます。僕は映画を見始めてしまったら一瞬のシーンだろうと見逃したくはないと考えています。座席も真ん中の方を選びますし、トイレには行かないと言うより
行けない
に近い状態です。
しかし……ある日事件は起きました。
あれは僕が劇場版サイコパスを観に映画館に行った時のことです。
上映前にトイレにはもちろん行きました。
量は少なめで、便器を伝う尿は言わば麗しき少女が流す涙のよう。
膀胱の中は何もない状態です。種も仕掛けもありません。
そして上映がスタート。
スクリーンでは冒頭から激しいアクションシーンが繰り広げられ、僕のテンションは急速に上がっていきました。
しかしどういうわけか同時に僕の身体を奇妙な感覚が走りました。
尿意です。
上映から10分足らず。先ほどまで何もなかったはずの膀胱に着実に水分が溜まっていくのを感じます。
犯罪係数ではなく放尿係数が上がっていき、このままでは常森監視官ならぬ常漏監視官として濡れたズボンで帰ることになってしまいそうです。
しかし僕は我慢に我慢を続けました。
我慢してしまったが故に物語は徐々に佳境へと向かっていきます。目を離す隙などあるはずがありません。
そこで僕は決意します。
……最後までトイレには行かない、と。
スクリーンの中でキャラクター達が壮絶な戦いを繰り広げている中、僕は自分の膀胱と壮絶な戦いを繰り広げておりました。
ついには
「これは何かの陰謀なのではないか」
と、トイレに行ったにも関わらずやってきた尿意に対して陰謀論を唱え始めたり、
自分がトイレに行ったと思っていたのは幻術の仕業で
「自分は最初からトイレになど行ってなかったのではないか……ッ!」
と、自分と膀胱との戦いは異能力バトルにまで発展しました。
そして訪れたエンドロール。
この時には僕は既に神を超えた存在となっておりました。排尿という神が創造した人体のシステムに逆らい、人間が創造した映画を最後まで見届けたのです。
人間が神に勝利した瞬間でした。
その結果僕は劇場版サイコパスを観たという事実と劇場特典を得ましたが、
代わりに内容があまり頭に入っていないという本末顛倒な事態を招き
半年後GEOのレンタルにお世話になるのでした。
みなさんも映画館での尿意には気をつけてください。
それではまた!